沖永良部島では、家庭から出る一般廃棄物の処理を知名町・和泊町が共同で運営する「沖永良部クリーンセンター」で実施しています。2024年に改訂された「一般廃棄物処理基本計画」では、将来的な人口減少や観光客数の変動を見越し、持続可能な処理体制の強化が打ち出されました。
一方で、島ならではの課題も深刻です。
同様の悩みは、沖縄や長崎県の離島、東京都の小笠原諸島など、他の離島でも見られます。「人口が少ないゆえに処理量が少なくスケールメリットが出ない」という根本課題は、全国の離島に共通しています。中には、島外への搬出すら難しい島もあり、「ごみを燃やすことも出すこともできない」というジレンマを抱えている例も存在します。
島内の建設現場や解体工事からは、木くず・コンクリート・金属くずなどの産業廃棄物が発生します。また、農業や畜産では、使用済みマルチやビニール、牧草ロール包装材など「農業系プラスチックごみ」が大量に発生しています。
このような課題は、本土の中山間地域でも共通です。人口減少と産業縮小によりリサイクル業者が撤退するケースも増えており、「出す場所がない」「費用が合わない」という声は全国から聞こえてきます。
離島ではそれに加えて“島から出す”というハードルがある分、解決にはより高い知恵と工夫が求められます。
沖永良部島の美しい海岸線においても、年々増加する「漂着ごみ」が大きな問題となっています。特に台風や大潮の後には、国内外から流れ着いたペットボトル、発泡スチロール、漁具、医療廃棄物などが打ち上げられ、島の景観と生態系に大きな影響を及ぼしています。
このような構図は、屋久島や与論島など他の観光離島でも同様で、「外から来たごみを、地元のリソースで片付けるしかない」という構造的不均衡が全国的に指摘されています。
沖永良部島のごみ問題は、一般廃棄物、産業廃棄物、漂着ごみという3つの側面から成り立ち、それぞれが複雑に絡み合っています。そしてそれらは、離島特有の制約であると同時に、日本全国が直面している「人口減少・高齢化・コスト上昇・処理インフラの限界」といった課題を先取りしているとも言えます。
これからのごみ処理体制には、以下のような視点が不可欠です。
「きれいな島を、次の世代へ」――。そのためには、行政・企業・地域住民がそれぞれの役割を持ち寄り、持続可能なごみの循環モデルを共に築いていくことが求められています。
次回は、沖永良部島の暮らしの中から出る生活廃プラスチックに焦点を当てて、ご紹介します。どのように排出され、どう処理されているのか?――。離島が抱える“現場のリアル”に迫ります。
現状、多くの離島ではプラスチックを含むさまざまな可燃物を混ぜて焼却処分しており、再資源化できていません。
再資源化を進めるには、何が鍵となるのか。
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日々さまざまなシーンで利用できるからこそ、しっかり正しく分別して再利用率を向上させ、環境にやさしい活用を進めていきましょう。
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