Change Country/Area 産業向け製品サイト
Main content

樹脂判別ハンディセンサー(RICOH HANDY PLASTIC SENSOR B150) コラム
第3回:沖永良部のゴミ全般の現状

暮らしの中から出る「一般廃棄物」――小さな島が抱える大きな負担

沖永良部島では、家庭から出る一般廃棄物の処理を知名町・和泊町が共同で運営する「沖永良部クリーンセンター」で実施しています。2024年に改訂された「一般廃棄物処理基本計画」では、将来的な人口減少や観光客数の変動を見越し、持続可能な処理体制の強化が打ち出されました。

一方で、島ならではの課題も深刻です。

  • 高額な処理費用:燃料や部品の調達は本土からの輸送に依存しており、維持管理コストが本土よりも高額になりがちです。
  • リサイクルごみの輸送負担:資源ごみは島内で再生処理できないため、すべて本土へ船で輸送。この運搬費用がごみ処理費用全体の圧迫要因になっています。
  • 施設の老朽化:既存の焼却施設は老朽化が進み、修繕費用と更新時期への備えが課題です。

同様の悩みは、沖縄や長崎県の離島、東京都の小笠原諸島など、他の離島でも見られます。「人口が少ないゆえに処理量が少なくスケールメリットが出ない」という根本課題は、全国の離島に共通しています。中には、島外への搬出すら難しい島もあり、「ごみを燃やすことも出すこともできない」というジレンマを抱えている例も存在します。

産業を支える「産業廃棄物」――経済活動と環境負荷のせめぎ合い

島内の建設現場や解体工事からは、木くず・コンクリート・金属くずなどの産業廃棄物が発生します。また、農業や畜産では、使用済みマルチやビニール、牧草ロール包装材など「農業系プラスチックごみ」が大量に発生しています。

  • 排出者責任の明確化:法律上、産業廃棄物は排出事業者が責任を持って処理すべきですが、分別や保管の負担が中小事業者には重くのしかかります。
  • リサイクルの難しさ:汚れや異物混入が多い場合、洗浄や分別工程が必要となり、コストと労力がかかります。
  • 輸送費が重荷に:中間処理を経ても、最終的には船で島外へ搬出する必要があり、その運搬費用は企業経営にも影響を与えかねません。

このような課題は、本土の中山間地域でも共通です。人口減少と産業縮小によりリサイクル業者が撤退するケースも増えており、「出す場所がない」「費用が合わない」という声は全国から聞こえてきます。
離島ではそれに加えて“島から出す”というハードルがある分、解決にはより高い知恵と工夫が求められます。

海から押し寄せる「漂着ごみ」――外から来るのに、島で背負う現実

沖永良部島の美しい海岸線においても、年々増加する「漂着ごみ」が大きな問題となっています。特に台風や大潮の後には、国内外から流れ着いたペットボトル、発泡スチロール、漁具、医療廃棄物などが打ち上げられ、島の景観と生態系に大きな影響を及ぼしています。

  • 助成金やボランティアに依存した回収体制:回収活動は税金を財源とする助成金と、地元住民や学校、企業、観光客によるボランティアに支えられています。しかし、資金と人手の両面で不安定なため、長期的かつ安定した運営には限界があります。
  • 発生源が不明:国外から流れ着くケースも多く、責任の所在を明確にできないことが課題です。
  • 観光イメージへの悪影響:きれいな海を目当てに訪れる観光客にとって、漂着ごみは大きなマイナスイメージにつながります。

このような構図は、屋久島や与論島など他の観光離島でも同様で、「外から来たごみを、地元のリソースで片付けるしかない」という構造的不均衡が全国的に指摘されています。

島の未来を守るために

沖永良部島のごみ問題は、一般廃棄物、産業廃棄物、漂着ごみという3つの側面から成り立ち、それぞれが複雑に絡み合っています。そしてそれらは、離島特有の制約であると同時に、日本全国が直面している「人口減少・高齢化・コスト上昇・処理インフラの限界」といった課題を先取りしているとも言えます。
これからのごみ処理体制には、以下のような視点が不可欠です。

  • 地域住民と観光客への啓発と行動変容の促進
  • 島内でのリサイクル・再資源化の検討と投資
  • 本土や他地域との処理連携による広域的対応

「きれいな島を、次の世代へ」――。そのためには、行政・企業・地域住民がそれぞれの役割を持ち寄り、持続可能なごみの循環モデルを共に築いていくことが求められています。

次回予告:生活廃プラスチックの現状

次回は、沖永良部島の暮らしの中から出る生活廃プラスチックに焦点を当てて、ご紹介します。どのように排出され、どう処理されているのか?――。離島が抱える“現場のリアル”に迫ります。

RICOH「樹脂判別ハンディセンサー」でプラスチックの再資源化を加速

現状、多くの離島ではプラスチックを含むさまざまな可燃物を混ぜて焼却処分しており、再資源化できていません。

再資源化を進めるには、何が鍵となるのか。
さまざまな種類があるプラスチックを的確に分別できれば、再資源化の促進が可能になる。

そのお役に立てるデバイスとして樹脂判別ハンディセンサーを開発しました。
リコーの樹脂判別ハンディセンサーを使用すると、13種類の主なプラスチックを簡単に分別することができます。
日々さまざまなシーンで利用できるからこそ、しっかり正しく分別して再利用率を向上させ、環境にやさしい活用を進めていきましょう。

樹脂判別ハンディセンサーの
ことならお気軽に
ご相談ください!

商品選定やお見積もりなど、
お客様のお悩みにお答えします。
まずはお気軽にお問合せください。

樹脂判別ハンディセンサー

このほかにも、
「RICOH HANDY PLASTIC SENSOR B150」について
よく知っていただくための
さまざまなコンテンツを用意しています。
ぜひご覧ください。