判別原理は近赤外線を用いた分光方式です。
測定は樹脂に近赤外線を照射し拡散反射光のスペクトルを取得します。
取得したスペクトルはスマートフォンへ転送されて、アプリで信号処理され、登録されている樹脂データとの相関係数比較により樹脂を判別します。
2秒程度で判別され、結果はアプリ画面に表示されるとともに音声でも出力されます。
赤外線は可視光よりも波長が長く目には見えない光です。
樹脂判別センサーは赤外線の中でも波長の短い近赤外線を使っています。
樹脂に近赤外線を照射すると樹脂内部に侵入した光は内部で拡散反射して再び樹脂表面から出射されます。
樹脂はその分子構造に応じて特定の波長に吸収を持っています。
この樹脂の場合は赤い矢印付近に吸収を持っているため、その波長付近は樹脂に吸収されて反射率が低くなります。
このように樹脂内部から拡散反射された光はそれぞれの樹脂に応じたスペクトル形状となります。
黒色樹脂、特にカーボンブラック顔料による黒色樹脂は近赤外線を吸収してしまうため拡散反射光が得られず本センサーでの判別ができません。
カーボンブラック顔料が含まれる場合はグレーであっても光量不足となり測定できない場合があります。
弊社では黒色樹脂を判別する場合には中赤外線を使用するFT-IRのATR測定を使用しています。
ATR測定はごく表面付近の情報しか取得できませんが黒色樹脂の分光スペクトルを取得できデータベースとのマッチングによる材料判別が可能です。
近赤外線を反射する黒色顔料なども開発されており将来的には黒色樹脂も近赤外線方式のセンサーで分別できる日がくるかもしれません。
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