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日本特殊陶業株式会社 様年間111トンの廃プラスチックを排出していた小牧工場。
RICOHハンディセンサーの導入によって材質を判別、20トンの「有価物化」に成功

(左から)ビジネスサポートカンパニー 環境安全部 荻野 悟課長、鈴木梨緒さん、鈴木利男主任。

日本特殊陶業株式会社

所在地
:本社 愛知県名古屋市東区東桜一丁目1番1号 アーバンネット名古屋ネクスタビル
:名古屋工場 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2-39
:小牧工場  愛知県小牧市大字岩崎2808
:さつま工場 鹿児島県薩摩郡さつま町田原2238-1
:伊勢工場  三重県伊勢市円座町字細越871-6
代表者
:代表取締役会長  尾堂真一
創立
:1936年10月
事業内容
:(1)スパークプラグおよび内燃機関用関連品の製造、販売
:(2)ニューセラミックおよびその応用商品の製造、販売、その他

1936年に創業し、名古屋市に本社を構える総合セラミックスメーカーであるNiterraグループ 日本特殊陶業様。自動車エンジンなどの内燃機関に使用されるスパークプラグは世界トップシェアを誇り、排ガスセンサも世界トップクラスのシェアを有しています。2021年には2050年カーボンニュートラルを目指すことを前提とした「エコビジョン2030」を策定。「気候変動への対応」、「環境配慮製品の拡充」、「水資源の保全」、「廃棄物管理」を重要4課題と位置付けて、生産工程で排出される廃棄物削減の取り組みに力を入れ始めています。

全社目標である廃棄物削減への取り組みをリードする工場環境安全課

環境安全部工場環境安全課には17人のスタッフが在籍し、安全業務や環境業務、リサイクル業務に携わっている。

廃棄物削減の取り組みの中心を担う環境安全部工場環境安全課。小牧工場では工場内にリサイクルセンターを設置して、廃棄物管理を行ってきました。2年前からはサーマルリサイクル中心だった廃プラスチックの「有価物化」への取り組みをスタート。廃プラスチックを有価で引き取ってもらうためには材料毎に分別することが必要であり、材質を正確に判別できるRICOH樹脂判別ハンディセンサー(以下、RICOHハンディセンサー)の導入を決断しました。今回は環境安全部工場環境安全課の皆さんに、RICOHハンディセンサー導入の決め手や導入効果についてお伺いしました。

  • これまでの課題

    1

    小牧工場で排出される廃プラスチックは年間に111トンあり、処理業者に引き取ってもらいサーマルリサイクルを行っていたが、廃プラスチックの有価物化を目指すことになった。

    2

    リサイクル業者に廃プラスチックを有価で引き取ってもらうためには、さまざまな廃プラスチックを材質毎に分別する必要があったが、手作業による材質の判別には限界があった。

    3

    生産現場の中に有価物にできる廃棄物の分別に対する意識が浸透しておらず、各生産部門に意識改革を図る必要があった。

  • 導入効果

    1

    年間に111トン排出されていた廃プラスチックに対して、RICOHハンディセンサーを活用して材質を正確に分別することで、20トンを有価物化することができた。

    2

    通い箱やパレット、ストレッチフィルム、トレーなどの廃棄物の中で、12種類の廃棄物の材質を判別して、有価物としてリサイクル業者に買い取ってもらえるようになった。

    3

    生産現場にRICOHハンディセンサーを貸し出して、現場で廃プラスチックの材質を判別してもらうことで、生産現場での分別に対する意識を高めている。

社員インタビュー

ビジネスサポート
カンパニー
環境安全部
工場環境安全課
課長
荻野 悟 様

ビジネスサポート
カンパニー
環境安全部
工場環境安全課
主任
鈴木 利男 様

ビジネスサポート
カンパニー
環境安全部
工場環境安全課
鈴木 梨緒 様

通い箱や樹脂製パレットなど廃プラスチックの有価物化に取り組む

生産現場ではさまざまな種類の廃プラスチックが排出される。発泡スチロールは減容機を使って圧縮、10kgのインゴットに変えて有価物化している。

-小牧工場ではどの程度の量の廃プラスチックが排出されていたのでしょうか。

小牧工場全体で原材料・設計・生産工程の各段階で発生する廃棄物は年間785トンに上っており、その中で製品や半製品を輸送する際に使用されるプラダンの通い箱や、破損した樹脂製パレット、梱包材、トレー、発泡スチロールなどの廃プラスチックは111トンを占めていました。従来、そうした廃プラスチックは処理業者に費用を払って引き取ってもらい、燃焼してエネルギーとして利用するサーマルリサイクルを行っていました。

-サーマルリサイクルからの転換を図るためにどのような取り組みを始めたのでしょうか。

廃棄物の削減に取り組む中で、身近な存在であるプラスチックに着目し、2年前から廃プラスチックの「有価物化」への取り組みをスタートしました。従来は費用を払って業者に引き取ってもらっていたものを価値あるモノに変えるための取り組みですが、有価物として引き取ってもらって原材料化するためには、PPやPS、PEといったプラスチックの材質毎に分別する必要がありました。

-廃プラスチックを材質毎に分別する作業を行うようになったのですね。

取り組みを始めてみると、廃プラスチックに非常に多くの種類があることを知って驚きました。最初は手作業で調べていましたから、樹脂製品に付いているリサイクルマークで判別したり、マークで判別できないものでも製品の形がハッキリしていればカタログで原材料を調べたり。それでも、見た目では材質を判別できない廃プラスチック類が大量にありました。

RICOHハンディセンサーによって廃プラスチックの判別精度が格段に向上

RICOHハンディセンサーを対象となるプラスチックに当てるだけで、判別結果が即座にスマホに表示される。

-手作業による廃プラスチックの材質判別に限界がある中で、RICOHハンディセンサーに出会ったのですね。

廃プラスチックの材質の種類が多過ぎて悩んでいたときに、リコーの担当者の方から、プラスチックの材質を手軽に判別できるセンサーがあることを教えてもらいました。まだ発売前の製品でしたが、デモ機を貸し出してもらって、廃棄物を集積するリサイクルセンターで使ってみたら、さまざまな種類のプラスチックの材質を判別できることが確認できて。これは役に立ってくれると実感しました。

-他社製品もある中で、RICOHハンディセンサーを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。

スマホと連動させて、RICOHハンディセンサーを対象となるプラスチックに当てるだけですぐに結果が表示される。そうした使い勝手の良さはとても魅力でした。リサイクルセンターのスタッフもすぐに使い方を覚えることができました。加えて、相談したいことがあれば、リコーの担当者の方がすぐに対応してくれることは以前から知っていましたから、サポート体制が充実していることも決め手になりました。高額の機器を導入しても、満足にサポートを受けられないと宝の持ち腐れになってしまうこともありますから。

-RICOHハンディセンサーで廃プラスチックを材質別に分別できるようになって、どの程度の量を「有価物化」できるようになりましたか。

導入初年度から111トンの廃プラスチックの内、20トンを有価物化することができました。それだけの量を有価物にできるとは思っていなかったので、想定以上の結果でした。金額的にもそれまで費用を払って引き取ってもらっていたものが、逆にリサイクル業者から買取価格を得られるようになって、大きな違いが生まれています。材質が判別された状態で引き取ってもらった廃プラスチックは原料として再生利用することができるので、廃棄物削減という時代の大きな流れに即した活動になっていると感じています。

生産現場にRICOHハンディセンサーを貸し出すことで現場の意識を変革

2年前から取り組み始めた廃プラスチックの有価物化は着実に成果に結びついている。

-RICOHハンディセンサーの導入は生産現場にも変化をもたらしているでしょうか。

私たちはある程度まとまった量で発生したプラスチック材料の有価物化に取り組んでいますが、生産現場ではさまざまな廃プラスチックが生まれています。現場で新たな廃プラスチックが発生した際に、これは有価物にできるのではとなったら、RICOHハンディセンサーを貸し出して材質を判別してもらうこともあります。量的には大きなものではなくても、そうした取り組みを続けていくことで、廃プラスチックの中の有価物の割合が今後、増えていくことを期待しています。

-生産現場でも廃プラスチックに対する意識に変化が生まれていきますね。

廃プラスチックの有価物化への取り組みを生産現場のスタッフとも共有することで、工場全体の意識が変わっていけると思っています。地道な努力ですが、会社全体の廃棄物削減に向けた目標を実現するためにも大切な作業になります。国内外の他の生産拠点や物流センターでもRICOHハンディセンサーを使って樹脂パレットやストレッチフィルム、コンテナボックスなどの廃プラスチックの有価物化を進めていて、今まで産業廃棄物となっていたものが価値を持つものに変わることが実体験として浸透しつつあります。1台のRICOHハンディセンサーがグループ全体に良い影響をもたらしていますね。

──今後も廃棄物削減の取り組みにRICOHハンディセンサーが貢献できるようにサポートしてまいります。ご協力ありがとうございました。

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