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日榮新化株式会社 様水平リサイクルでラベル台紙廃棄ゼロを目指す「資源循環プロジェクト」に
「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」が重要な役割を担う

左から三重RP工場グループ グループ長・石川さん、資源循環事業部 部長代行・ 本池さん、資源循環事業部・島田さん。

日榮新化株式会社様

所在地
:東京本社 東京都千代田区内神田3-14-8 ニシザワビル3F
:大阪本社 大阪府東大阪市若江東町6-1-33
:三重RP工場 三重県伊賀市治田2506-22
代表者
:代表取締役社長  清水寛三
設立
:1967年7月(創業1957年1月)
事業内容
:粘着フィルム及びコーティングフィルムの開発・製造・ 販売、粘着加工品・ラミネート加工品の製造・販売

日榮新化株式会社様の主力製品であるシール・ラベル材の台紙は紙と樹脂の複合材料のため資源として回収・再利用されることなく大量に廃棄・焼却されていました。ラベル台紙の廃棄をゼロにして資源としてリサイクルできないかという思いから、ラベル台紙の水平リサイクル「資源循環プロジェクト」をスタートすることに。従来のラベル台紙を、再生PET製フィルムを使用した「リサイクル専用台紙」に置き換え、使用後に有価回収して原料として使用する取り組みです。回収したラベル台紙の素材を正確に判別する上で、「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」が重要な役割を担うことになりました。

「リサイクル専用台紙」を使ったラベル台紙の水平リサイクルが本格稼働

1957年創業。シール・ラベル素材や保護フィルムなど粘着コーティング技術の総合メーカーとして60年以上の歴史を持つ日榮新化株式会社様。新たに開発した「リサイクル専用台紙」を使ったラベル台紙の水平リサイクル「資源循環プロジェクト」を推進するリサイクル工場として、三重RP工場(三重県伊賀市)が2024年4月に竣工。回収した「リサイクル専用台紙」を分別した後にフレーク化、ペレット化を経て、再び「リサイクル専用台紙」の原料に戻してフィルムメーカーに納入する機能を担います。

  • これまでの課題

    1

    社会全体がSDGs推進の目標実現に取り組む中で、従来からラベル台紙はリサイクルされずに大量廃棄されており、資源循環の仕組みを構築する必要性を感じていた。

    2

    高レベルのリサイクルを実現するために、回収した「リサイクル専用台紙」が、独自の素材である「カミシャイン®」かどうかを精度よく判別する必要があった。

  • 導入効果

    1

    樹脂判別センサーを導入したことで、回収した「リサイクル専用台紙」の素材判別が手軽に効率的にできるようになり、「資源循環プロジェクト」のスキーム構築に不可欠な役割を果たした。

    2

    樹脂判別センサーのプラスチックの種類を追加登録できる機能を使うことで、「カミシャイン®」かどうかを精度よく判別できるようになった。

社員インタビュー

資源循環事業部
部長代行
本池 高大 様

三重工場
三重RP工場グループ
グループ長
石川 将 様

資源循環事業部
島田 聖士 様

使用済みラベル台紙を自社で回収し、水平リサイクルに取り組む

-ラベル台紙のリサイクルには今までどのような課題があったのでしょうか。

日榮新化株式会社ではシール・ラベル材の売上が事業全体の3分の1を占めています。製品にラベルを貼り付けた際に残るラベル台紙(剥離紙)は紙に樹脂をコーティングした複合材料が使用されているためリサイクルが難しく、多くが産業廃棄物として扱われ、廃棄・焼却されている現状がありました。ラベル台紙の使用量は国内の製造業全体で年間約14億平方メートル、東京ドーム約3万個分の面積にあたります。こうした大量の産業廃棄物をこのままの状態にしておいてはいけないという課題がありました。

-ラベル台紙の大量廃棄処分を解決するために、どのような取り組みを始めたのでしょうか。

2020年4月から「資源循環プロジェクト」がスタートしました。ラベル台紙を再生可能な再生PET製フィルムのラベル台紙「リサイクル専用台紙」に置き換え、使用後にこちらが有価で回収。使用済みの製品を原材料として同一の製品を製造する水平リサイクルを行い、廃棄物を生み出さない仕組みになります。

-水平リサイクルの詳しい仕組みについて教えてください。

「リサイクル専用台紙」は東洋紡様のポリエステル系合成紙「カミシャイン®」をベースに作られています。使用済み「リサイクル専用台紙」をユーザー様から回収して原料の状態に戻してから東洋紡様へ納品し、再び「カミシャイン®」の原料として活用していただく仕組みです。

-「リサイクル専用台紙」を使ったプロジェクトは既に稼働しているのですか。

従来のラベル台紙から「リサイクル専用台紙」への置き換えは徐々に進んでいて、大手メーカー各社にご採用いただき、既に回収作業も始まっています。この資源循環型水平リサイクル事業を本格的に進めていくために2024年4月に三重RP工場を開所し、量産稼働を開始しました。

「資源循環プロジェクト」のスキーム

日榮新化株式会社がポリエステル系合成紙「カミシャイン®」をベースにした使用済みの「リサイクル専用台紙」をユーザーから有価で回収(回収費用も日榮新化株式会社が負担)。三重RP工場で「カミシャイン®」だけを分別し、フレーク化(破片化)、ペレット化(粒状化)の工程を経て「リサイクル専用台紙」の原料に戻して東洋紡に納入する。その後、回収した原料を元に製造された「リサイクル専用台紙」を使って自社製品の粘着フィルムを生産し、印刷会社へ納品後にユーザーの元へラベル製品が届く水平リサイクルを実現する仕組み。

判別精度の高さが「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」を選ぶ決め手に

2024年4月に三重県伊賀市に開所した三重RP工場で取材に対応していただいた日榮新化株式会社の皆さん。

-ラベル台紙の水平リサイクルに樹脂判別センサーはどのような役割を果たすのでしょうか。

ユーザー様の方でラベル台紙の回収作業を行う際にロール状にしていただくのですが、その際に違う材質である繋ぎの部分が入っていると、リサイクルに影響を及ぼしてしまいます。全く同じ物に戻すという高レベルのリサイクルを実現するためには、「カミシャイン®」だけを選別しなければなりません。工場に回収されたラベル台紙にそうした異なった材料が入っていないかどうかをチェックするために、樹脂判別センサーが必要になるんです。

-材質が「カミシャイン®」かどうかを判別するセンサーとして
「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」を選んだ理由を教えてください。

精度の高さが一番の決め手になりました。東洋紡様が製造しているフィルムには「カミシャイン®」の他にも同じような材質の製品があります。数社のハンディタイプの樹脂判別センサーを比較検討しましたが、「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」は「カミシャイン®」を正確に判別することができました。ものづくりのメーカーとして少しでも品質の良い機器を使いたいという私たちの思いに応えてくれる製品でした。

スマホと連動したスムーズな操作性も魅力

片手で扱える軽量かつコンパクトなサイズの「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」。回収したラベル台紙にセンサーを当てて測定ボタンを押すと、スマホが音声と画面表示で測定結果を教えてくれる。

-現場での分別作業に「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」を使ってみてのご感想を教えてください。

私たちが知りたいのは、「カミシャイン®」なのかそれ以外の材質なのかなんです。センサーに樹脂の種類を登録することができるので、「カミシャイン®」だけを登録して使用していますが、判別能力の高さを実感しています。

回収されたロール状のラベル台紙にセンサーを当てて判別するのですが、シール部分などが残っていたときに「カミシャイン®」ではないことがすぐにわかるので、よく見てくれているなと。スマホと連動していて、判定結果を音声で知らせてくれるのも作業をスムーズに進める上で役立っています。

-リコーの担当者からのサポートはいかがでしたか。

本社に何度も説明に来ていただくだけでなく、現場にも足を運んでもらって、具体的な測定方法などをサポートしてもらいました。現場の人間がメーカーの方と直接会って詳しい話ができることはあまりないので、色々と質問してそのたびに丁寧に対応してもらえたのは良かったです。

「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」の追加登録機能を使い、「カミシャイン®」を登録しておくことで、スムーズな判別作業を行うことができるようになった。

-最後にこれから樹脂判別センサーの導入を考えている方へのメッセージをお願いします。

私たちはラベルの廃棄ゼロ、CO2削減、サーキュラーエコノミー(循環経済)への参画という3つの目標に取り組んでいます。廃棄物の発生を抑えて資源を再利用するサーキュラーエコノミーの取り組みを始めようと考えている方にとって、「RICOH樹脂判別ハンディセンサー」は導入する価値があると思います。

-ご協力ありがとうございました。

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