西松建設株式会社
総合建設企業大手の西松建設様。2015年度から環境経営に関する中期経営計画を策定し、『事業活動におけるCO2削減』『生物多様性保全』『建設廃棄物の3R』を三本柱として、現場での具体的な活動を強力に進められています。
2016年に「エコ・ファースト企業」の認定を受け、建設業界における環境の先進企業として、様々な取り組みを模索されている中、建設現場である滋賀湖南出張所にて実践された廃プラスチックの分別の取り組みについてお話をお伺いしました。
2024年に創業150周年を迎えられた、総合建設企業大手の西松建設株式会社様。「現場力」を強みに、創業からダムなど官庁系の大型土木工事を得意とし、近年では超高層ビル・マンション、学校・病院建設といった建築部門、不動産開発事業にも注力されています。
これまでの課題
建設現場において、廃プラスチックは1つのコンテナにまとめて捨てられ、そのまま廃棄回収され、リサイクルにむけた取り組みが進んでいなかった。
導入効果
頻繁に出る4種類の廃プラスチックの分別が瞬時にできるようになり、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル率の向上にむけた検証が加速した。
社員インタビュー
滋賀湖南出張所
所長
森田 正登 様
西日本支社 現場工務革新センター
安全・環境グループ長
宮口 一郎 様
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)が施行され1年以上が経過しました。当社においても多量排出事業者として、プラスチック使用製品産業廃棄物(廃プラスチック)のより一層の排出抑制、並びに再資源化が課題となっています。
当社としましては、現場での分別の精度を高める等の取組みを推進し、「マテリアルリサイクル」・「ケミカルリサイクル」の拡大を可能なところから順次進めていきたいと考えており、具体的な方法について模索していました。
現場での分別等の取組みを実際に再資源化に繋げていくために、ハード面で何か良いものはないかと考えていたところ、展示会でRICOH樹脂判別ハンディセンサーを知り、これは使えそうだという確信を持ちました。
機能面では、現場の誰でも簡単に判別できる操作性や可搬性が重要でした。また、廃プラの素材判別結果とともに写真撮影も可能なので、マテリアルリサイクルを現場で進めていくには、分別と明示が容易なこのアイテムが一番良いだろうという判断で導入を決めました。
現場でスムーズに分別ができるように、頻繁に出る廃プラスチックを事前に樹脂判別センサーで測定し、写真付きの見本を作成、リサイクルステーションに掲示することにしました。
現状は、PP、PE、PET、PVCの4種類に分別できるよう、4つのコンテナにそれぞれの廃プラスチックの写真見本を貼り、作業員はその見本を確認して分別をおこなっています。
現場での廃プラスチックは、部品を梱包してあるフィルムや、エアコンや分電盤などが梱包されてきた際の緩衝材などが多くを占めていますが、建設の工程が進むごとに様々な種類の廃プラスチックが増えるため、新たな種類が出た際は、樹脂判別センサーで判別し、写真を掲示しておくということを繰り返しおこなっています。
そもそもこれまで現場では、廃プラスチックは1つのコンテナにまとめて捨てており、種類ごとに分けるということをしていなかったので、瞬時に4種類に分別ができるということが画期的ですし、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの推進にむけた大きな一歩だと感じています。
現場では、この取り組みをはじめ様々な3R活動を行っておりますが、それらの活動が外部で認められ「一般社団法人日本建設業連合会 本部ならびに関西支部から環境表彰」「リデュース・リユース・リサイクル推進協議会から令和5年度3R推進功労者表彰の会長賞」「建設副産物対策近畿地方連絡協議会(近畿地方整備局ほか)から令和5年度近畿建設リサイクル表彰の大賞」を受賞いたしました。
建設業から排出されるプラごみは汚れが混じったものが多いため、産廃処理会社さん側でも様々な施策を練っているようですが、マテリアルリサイクルが進んでいないという現状もうかがっています。
ただ、受入側のスキーム構築を待っていても進まないため、現場レベルでできることから始めることが重要だと思っています。
我々の取り組みをはじめとして、様々な現場で分別の取り組み広がっていくことによって、建設業でもきちんと分別してくれる、ということになれば、受入側の行動にもスピード感が出てくるのではないかと考え、地道な活動ですが取り組んでいます。
サーキュラーエコノミ―社会の実現へ向け、弊社内でも様々な現場でこの活動を広げていきたいと思っており、分別にはこちらの樹脂判別ハンディセンサーが欠かせないと感じています。
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