作業支援カメラシステム RICOH SC-10Aを導入された背景や効果について、医療機器メーカーである富士フイルムテクノプロダクツ株式会社(以下 FFTP)大塚様と濱野様にお話をお伺いしました。
医療機器を製造しており、お客様が医者や患者さんなので、不良が誤診に直結してしまいます。 そのため厳しい規格を設けており、それをクリアするためにこれまでは熟練工を配置して製造することが多くございましたが、 現在の人の動きが大きいなかでは、比較的習熟が短い方々にも入っていただいて、品質を維持していくことが必要となります。
そうなると経験や記憶だけに頼って製造していくことはできないので、不良の原因となる作業ミスを減らし人に依存しない仕組みを作るため、自動判定できるリコーの作業支援カメラシステムを使用して製品品質の維持を進めています。
血液検査装置に使用するインキュベーターユニットという血液を体温と同じ温度に温めるユニットの製造工程で使用しています。
計11箇所のネジ締めをするユニットで、そこには二つ課題があり
このような課題はお金をかければ自動ネジ締め機を導入することもできますが、我々のような少量多品種の業界では費用対効果を求められるとなかなか導入には至らないというのが現状です。
FFTP 大塚様
品質を維持するため作業者は色々なことをやらなければいけないのですが、今回の導入によって
「人のミスが軽減できる」
「作業ミス防止に使っていた注意力や労力を他のところに利用できるため全体の効率が上がり品質も維持できる」
「熟練ではなくても早く作業に従事できる」
という効果が非常に大きかったです。
FFTP 大塚 譲 様
メディカル機器生産統括本部
モダリティ生産本部
第2製造部 第3製造部 部長
FFTP 濱野様
今回の一番の目的は作業ミスの低減ですが、間違えることができないという環境づくりが必要だったので導入してよかったと言えます。
ネジのトルクを掛けていない / 順番を間違えた時点でNGを知らせ、作業が先に進めない仕組みなので作業ミスは100%無くなったと言えます。
今まで作業者にはチェックシートを書いていただいていましたがカメラの自動判定の履歴をサーバー上に残しそれがエビデンスとなるためペーパーレスも進み、作業者の負担も軽減できています。
FFTP 濱野 晃久 様
メディカル機器生産統括本部
モダリティ生産本部生産技術部
オペレーションシステムが搭載された一体型コントローラで小型軽量。LAN、USB、I/Oなどインタフェースが豊富であり価格が我々にとって魅力的でした。
少量多品種でも切り替えが簡単でした。マスター画像さえ登録して、指図書のバーコードを読むことで機種を切り替えています。弊社は仕向け先を入れると100以上の製品を扱っていますが、言ってしまえば1台で切り替えることが可能です。
オープンコレクタで、出力がI/Oしかないドライバーでもそのまま受けられるというのもよかったです。
やはりカメラなので一番キーとなるのは「照明」です。苦労というか、過去のノウハウが活きました。過去にも画像処理機器を使用するうえでは、工場レイアウトが変更になり1メートル変わるだけでも判定がNGになったという経験があったのでスタジオのような囲いを作ったり、テープLEDを用いたりの工夫はしました。
その工夫があってかリコーの作業支援カメラシステムを導入してから何度か移動をしていますが、マスター画像の撮り直しはしていません。
会社名 | 富士フイルムテクノプロダクツ株式会社 |
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代表者 | 代表取締役社長 中條 正和 |
本社 | 〒250-0111 |
設立 | 2005年4月1日 |
事業内容 | 医療用、理化学用、印刷用、写真用機器の製造、安全規格申請代行、EMC測定 |
URL | http://fftp.fujifilm.co.jp/ |