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リコー環境事業開発センターは、環境保全と利益創出を両立する「環境経営」をコンセプトに、“環境関連事業を創出す る拠点“ として業務展開してきました。2017年から複合機の搬送用として、原価低減・管理の効率化を図るために、リコー グループ各社と共同で新仕様の「複写機用新循環型エコ包装」を開発。さらに、RFIDを活用した「複写機用新循環型エコ 包装管理システム」も構築し、輸送における様々な課題を解決しました。そこで、「複写機用新循環型エコ包装」と「複写機用 新循環型エコ包装管理システム」の推進担当者である菊地建至から概要をご説明いたします。
リコーインダストリー株式会社 ES本部
メカトロ第三技術室 プロセス技術グループ
グループリーダー 菊地 建至
*1 以降「従来型包装材」と表記します。
複合機の搬送には、「従来型包装材」を使用していましたが、部品点数が多く、調達コスト、管理の手間、保管場所、梱包作業時間など、様々な課題が見えてきました。
また、部材毎にバーコードで管理していたため、読み取り作業の手間、作業ミスによる記録洩れも改善しなければならない課題でした。
さらに「従来型包装材」は、出荷後の市場流通期間や、突発的な破損も考慮して総量を設定しますが、流通段階の回収遅れや、配送先に残置されているものがあり、総量設定をしにくい状況にありました。
*2 以降「改良型包装材」と表記します。
従来使用されていた「従来型包装材」は、全てプラスチック製で重量があり、部品数は12点もありました。この課題を解決するため、新しい「改良型包装材」の開発に着手しました。
新たに開発した「改良型包装材」は、軽量プラスチックと段ボールの3点構成で、重量は約40%削減。取り回しも楽になり、梱包作業時間の大幅な短縮が可能です。また、「改良型包装材」は、パレット部分が嵌め込み可能な形状で、保管や輸送時の大幅な省スペース化も実現し、保管スペースも半分以下で済みます。
次に取り組んだのは、運用面の課題解決です。各部品の循環回数の確実な管理と数量最適化の実現を目指して、RFIDを活用した「複写機用新循環型エコ包装管理システム」の開発に取り組みました。
RFIDの場合、電波を用いた無線通信でRFIDタグを読み取ることができるので、人が見えない「改良型:スリーブ」の内側にタグを貼り付けてもアンテナの前を通過するだけでタグの読み取りが可能となります。また、梱包作業後でもタグの一括読み取りができ、作業性を大幅に向上させることができます。
さらに、リコーのRFIDプラットフォーム「RECO-Bridge IDR-1 V2」により、既存の管理システムの改造を最小限に抑え、RFIDを採用することができます。
RFID機器はアンテナやリーダライタを含めてさまざまなメーカーがありますが、「RECO-Bridge IDR-1 V2」は、どのメーカーの機器*3を使っても違いを意識せずにRFIDシステムを構築することができます。システムの構築のしやすさという面から考えると非常にハードルが下がったといえます。
*3 対応機器は、一部制限があります。
「改良型包装材」とRFIDを活用した「複写機用新循環型エコ包装管理システム」では、梱包後にアンテナゲートを通過するだけで、「改良型包装材」のタグを一括読み取りできるので意識をすることなく管理ができるようになり、手間も時間もかからなくなりました。
基幹情報(工場出荷製品の所在)と、「改良型包装材」の所在情報を連携でき、情報が一元化されることで、数量の最適化まで実現しました。
また「改良型包装材」の使用回数を部品単位で正確に管理できるので、劣化に備えた調達ができ、無駄な在庫が不要になったのも大きなメリットです。
「改良型包装材」のタグを一括読み取りするアンテナゲート
「RECO-Bridge IDR-1 V2」の特長
「現在は当センターのRFIDシステムで、「改良型包装材」の出荷数、回収数の把握はできるようになりました。将来的には、同一設備を流用することで、別機種の梱包出荷へ横展開することも可能ですし、リユース・リサイクル部品のための回収ユニットの管理などにも広げていきたいです」(菊地 建至談)
富士山麓、御殿場にあるリコー環境事業開発センターは、未来のエコを育て、カタチにするリコーの環境活動の中心拠点となっており、新しい環境技術の研究・開発から、OA機器のリユース・リサイクルまで、持続可能な環境経営を実践しています。
現在、「OA機器のリユース・リサイクル機能」のほとんどが同センターに統合され、主力製品となる再生機も量産。再生機本体・部品のリユースに加え、梱包においても、これまで以上に環境に配慮した「複写機用新循環型エコ包装」を採用しています。
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