独自のヒトiPS細胞分化誘導技術を用いたiPS創薬で
お客様の新薬開発に貢献します。
リコーグループは『ヒト遺伝子相関マトリックス』データベースから開発した、高速・高効率な分化誘導技術を使用しています。『ヒト遺伝子相関マトリックス』は、転写因子を中心とした700 以上の遺伝子を導入したヒト胚性幹細胞株の個別クローンから、トランスクリプトームデータを取得して構築されました。取得した個々の遺伝子導入細胞のトランスクリプトームデータ( x 軸)と、公開されているヒトの器官・組織・細胞のデータ( y 軸)との相関解析から、目的細胞に分化誘導するために最適な転写因子を抽出し、各転写因子組み合わせにおける培養条件の最適化を行うことで分化手法の確立が可能です。
『ヒト遺伝子相関マトリックス』を用いて、神経細胞をはじめ、さまざまな細胞への分化方法を既に樹立しています。お客様もしくはリコーグループで手配したヒトiPS細胞から、ご希望の分化細胞をご提供します。
また、各種細胞の分化誘導試薬キットおよび凍結分化細胞も取り揃えています。どの分化細胞種でもほぼ同一のプロトコルで、異なるiPS細胞株でも再現性のある高速・高効率な分化が可能です。例えば、Quick-Neuron™
Excitatoryでは、わずか10日で分化が可能です。
リストにない場合はお客様のターゲットとする細胞への新規分化誘導法の開発やカスタム製造も可能ですのでお問い合せください。
CIRM(カリフォルニア州再生医療機構)に寄託されている1,500を超える各種ヒト患者由来iPS細胞に対し、リコーグループが提供する分化細胞はライセンスフリーでご利用いただけます。2024年7月には、アルツハイマー病(AD)患者iPS細胞から作製した神経細胞パネルをリリースしました。さらに、複数のパーキンソン病(PD)患者由来iPS細胞も既に取得済みで、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者由来iPS細胞から作製した分化細胞を用いたアッセイサービスもご提供が可能です。
また、リコーグループは、研究用途向けに
ERS
Genomics社からCRISPR-Cas9技術の基本特許に関する商用ライセンスを取得しています。このライセンスにより、CRISPR-Cas9システムを活用したゲノム編集サービスをご利用いただけます。サービスをご依頼の際は、「Use
and Limited License」 に同意が必要です。
独自の分化誘導法および培養技術により、成熟化ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いた各種機能評価サービスのご提供が可能です。
スパインマーカーの発現(左図)に加え、RNAseqデータを用いたiPS細胞由来神経細胞とヒト皮質神経細胞の遺伝子発現の相関解析(右図)からも成熟化を確認できています。
成熟したヒトiPS細胞由来神経細胞を用いたアッセイ事例の技術資料を、リソースにてご覧いただけます。その他にも、さまざまなアッセイのご提供が可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
技術資料リソースページ48ウェルプレートでのハイスループットなMEAアッセイ
HD-MEA(高密度微小電極アレイ)でのアッセイ
成熟ニューロンでの薬剤評価
384ウェルプレートでのハイスループットなカルシウムフラックスアッセイ(2D培養およびスフェロイド培養)
遺伝子導入および神経突起長測定
リコーグループのiPS細胞高速分化誘導技術と機械学習を融合して、神経 変性疾患・がん・希少疾患・感染症等に関する表現型アッセイを開発します。 疾患モデル構築は患者由来iPS細胞を用いるため、特定の疾患を再現することができます。また、High Content image assayにより、複数のパラメータを統合的に解析することで、特定の疾患に関連する薬物の効果や作用機序を評価することが可能となります。これらの表現型スクリーニングにより、新薬開発の成功確率の向上に貢献します。なお、高速分化誘導の期間は細胞種により異なります。
リコーグループのiPS細胞高速分化誘導技術により細胞治療・再生医療用細胞の分化法開発及び高速かつ一貫性のある効率的な細胞製造を行います。リコーでは培養加工施設(CPC)による生産体制を確立し、細胞治療のオフ・ザ・シェルフ化を目指し、iPS由来細胞を用いた医療のさらなる普及を促進します。